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コロナ過でさらに逼迫する医療現場、デジタル化で実現する課題解決と新しい医療の形

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新型コロナの感染拡大で問題が深刻化する「医療分野」を救うものとは?

 

少子高齢化をはじめとして、多くの社会的な課題を抱えている日本。

他の国が直面するであろう問題が顕在化しているため、「課題先進国」とも言われています。

少子高齢化や人口減少による労働生産人口の低下、社会インフラの老朽化や気候変動による自然災害の増加などの問題が山積みです。

 

そうした中、2020年から世界的に感染拡大した新型コロナウイルス感染症の影響を受け、より問題が深刻化しているのが「医療分野」ではないでしょうか。

医療費の高騰による社会保障の改善は以前から指摘されてきました。

また、「医療従事者の長時間労働」「介護分野との包括的なケア体制の構築」「医療資源の偏在による地域格差」などの解消も必要不可欠です。

 

それらに加えて、現在の医療現場が切迫する状況下では、医療体制の維持は急務の課題だと言えます。

また、感染防止の観点から、基本的に患者と医師が対面で実施してきた「診療行為」にも新しい様式が求められています。

 

たとえば、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、多くの医療機関が感染者や人手不足に対応すべく、デジタル化を推進しています。

2020年4月には、初診も含めたオンライン診療が解禁されました。

従来、初診では「対面診療」が原則となり、オンライン診療は特定の疾患を対象にした2回目以降の診療でのみ認められていました。

 

しかし、コロナ禍による受診控えを解消するため、その規制が緩和されています。

時限的な措置ではありますが、医師が医学的に診断可能と判断した範囲であれば、初診を含めてオンライン診療が可能になっています。

 

深刻化する問題の解決策や新しい医療提供体制の実現を担うものとして期待されるのが、医療分野における「デジタルトランスフォーメーション(DX)」です。

医療関係者の業務効率化や労働力不足の解消などのさまざまな改善効果が期待されています。

 

この記事では、医療分野が抱える問題点や新型コロナウイルス感染症の影響などを踏まえ、医療分野のDX実現を支えるシステムや具体的な活用メリットなどを紹介していきます。

 

 

医療現場における「働き方改革」をデジタル化で実現

 

医療現場では、従来から医師や看護師などの医療従事者の長時間労働が問題となっていました。

人命にも関わる業務を担うため、過重労働による医療過誤などは避けなければなりません。

そこから起因する医療サービスの質への影響も懸念されるため、2017年には「医師の働き方改革に関する検討会」に立ち上がるなど、2024年4月からすべての勤務医の時間外労働を「年間960時間以下」に規制する動きなどが見られています。

 

そうした医療現場の働き方を実現するため、さまざまなICT技術を活用したデジタル化が進んでいます。

紙媒体で蓄積されていた医療情報を電子化して保存、活用するシステムやアプリが導入されつつあります。

 

現在の医療提供体制は、医師や看護師、さまざまな専門職が連携する「チーム医療」がベースとなっています。

そのため、メンバー間の円滑なコミュニケーション環境を構築する必要があります。

 

また、患者の問診情報や各種検査結果、画像記録、薬の処方記録、手術記録など患者1人から幅広いデータが生まれています。

しかし、それぞれのデータの発生源は、医療機器や医療専門システムなどに散在しています。

それらを一元管理し、関係者間で迅速に共有することは、業務の効率化を促して働き方改革にも寄与するでしょう。

 

さらに、医療現場では多くの機密情報を取り扱うため、外部への流出は決して起きてはいけません。

そのため、情報共有や連携にあたっては高いセキュリティが求められています。

また、情報共有ツールには、必要な人だけが必要な情報にアクセスできる権限設定なども重要です。

電子化したデータが万が一、消失してしまわないようなデータのバックアップや保護対策も必要となっています。

 

 

医療現場で「Microsoft Teams」導入が加速する理由

 

そうした医療現場の情報共有やコミュニケーションを円滑するツールとして、関心を集めているのが「Microsoft Teams」です。

業務効率や生産性を向上させることで、労働時間の短縮などの働き方改革の実現への効果が期待されています。

 

Microsoft Teamsは、マイクロソフトが推奨するクラウドサービス群「Microsoft 365」のコミュニケーションツールです。

チャットや通話機能に加えて、ビデオ会議機能、ファイル共有機能、Officeアプリとの連携機能などを備えています。

米Microsoftは2021年4月、新型コロナの影響で、Microsoft Teamsの利用者数が約4倍に増加したことを発表しています。

 

Microsoft Teamsは2021年、医療従事者の患者ケア向上の支援における卓越したベンダーに授与される「Best in KLAS」賞において、ビデオ会議プラットフォームのトップに位置づけられています。

 

医療現場でMicrosoft Teamsを利用すると、どんなメリットがあるのでしょうか。

 

チャットによる医療チームメンバー間の円滑な連携

 

医療チームメンバーは、お互いに患者に関する指示や情報などについて継続的にコミュニケーションを取る必要があります。

たとえば、指示した検査の状況を医師が確認するときや、同僚への支援を求める際、Microsoft Teamsのチャット機能や在席状況の確認機能などを利用すると、コミュニケーションがより取りやすくなる可能性があります。

 

電子カルテなど医療システムなどのデータを統合管理

 

Microsoft Teamsは、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を使って、医療情報システムとも容易な連携が実現できます。

たとえば、電子カルテ(EMR:電子診療記録)が提供する外部データを表示/操作することも可能です。

電子医療記録や業務用アプリなどのデータを一元管理することで、情報共有や業務効率の向上などの効果が期待できます。

 

 

医師の代理人の割り当てや、院外からのセキュアな情報共有も可能

 

Microsoft Teamsには「代理アクセス権」機能を備えています。

この機能は、代理人がMicrosoft Teamsのアクセス権限を引き継ぐことを可能にします。

たとえば、ある医師の不在時には、代理人となった別の医師が患者対応をする際に役立てられています。

 

また、Microsoft Teamsのセキュリティ機能の一つに「データ損失防止(DLP)」機能が挙げられます。

機密情報が含まれる医療データを院外のユーザーと共有する際、データへのアクセスやメールの送信を自動的にブロックするなどセキュアな情報共有が実現可能です。

 

 

業界特化型クラウドサービスで、医療現場の働き方改革をさらに支援

 

日本マイクロソフトは2020年、同社初の特定業種向けクラウドサービス「Microsoft Cloud for Healthcare」を発表しています。

このサービスでは、Microsoft Teamsを使って患者のバーチャル診療のスケジュール設定や実施が可能です。

また、「Microsoft Azure」を利用して、患者の医療デバイスを遠隔モニタリングすることもできます。

 

さらに、ニュアンス・テクノロジーの音声認識・AI(人工知能)ツールとの連携により、Microsoft Teamsを使った遠隔診療中の患者と医師の会話を記録する取り組みも進んでいます。

加えて、日本マイクロソフトは2021年4月に医療者向けのTeams活用シナリオやTeamsによる院内感染軽減対策などの資料を無償で提供しています。

 

このように、Microsoft Teamsをはじめとする同社のサービスは医療現場の働き方改革に活用するケースや院内感染の防止、感染症治療などにも利用されているのです。

 

 

アフターコロナを見据えた医療の形を目指す、順天堂大学

 

また、日本マイクロソフトでは、アフターコロナを見据えた次世代の医療システムの実現にも取り組んでいます。

 

順天堂大学と日本マイクロソフトは2020年に3次元オンライン診療システム「Holomedicine」を開発しました。

このシステムは、Microsoftのモーションスキャナー「Kinect v2」とヘッドマウントディスプレー「HoloLens」が利用されています。

 

このシステムでは、遠隔地にいる患者をKinect v2を用いて、3次元動作情報をリアルタイムでスキャンします。

そのデータを、離れた場所にいる医師の下に3次元動作情報を複合現実(Mixed Reality)を実現するHoloLensを介して再構築。

患者が目の前にいるかのように診察できるとのことです。

 

順天堂大学は、実際にパーキンソン病患者100人に対して同システムを用いて評価を実施し、パーキンソン病患者の対面診療の代わりとなり得ると公表しています。

 

さらに今後は、診察時の3次元動作情報のデータをクラウドデータベースに蓄積し、AI技術である機械学習や深層学習を活用して運動障害疾患患者の動作情報の解析を進める予定です。

その成果をパーキンソン症状やその他の神経症状を自動判定できる診断補助アルゴリズムの構築に役立てることを目指しているとのことです。

 

パーキンソン病のみならず、アフターコロナを見据えた未来のオンライン診療の可能性を広げることが期待されています。

 

 

ヘルスケア分野全般のデジタル化を支援する日本マイクロソフト

 

現在、日本マイクロソフトはパートナー企業ともに医療分野のDX推進を支援する取り組みを進めています。

同社のヘルスケアクラウド事業におけるパートナー数は、2019年度の30社から2021年度は61社まで拡大しています。

従来からの医療機器などのパートナーに加えて、AI・複合現実などの新技術に強みを持つ企業やスタートアップなどとの協業を目指しているのです。

 

また、医療分野だけではなく、医薬品企業や患者個人、住民・社会全般などのヘルスケア全般のデジタル化を支援していくことを明らかにしています。

ぜひ一度、同社のソリューションを検討してみてはいかがでしょうか。

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