営業のDXを推進するために欠かせないツールがSFA(営業支援ツール)です。中小企業がDXを推進するには、営業業務の効率を目指せるSFAの導入は必須といえるでしょう。
しかしDXやSFAの詳しい内容までを正確に理解している方は意外と少ないかもしれません。そこで当記事では、DX・SFAの概要や中小企業が導入すべき10つのSFAなどを紹介します。
- 1 DX(デジタルトランスフォーメーション)とは何か?
- 2 SFA(営業支援ツール)とは何か?
- 2.1 中小企業向けのSFAの比較紹介
- 2.1.1 直感的で使いやすい「Senses」
- 2.1.2 営業活動の自動化が可能「Zoho CRM」
- 2.1.3 AI秘書機能を搭載「Sales Force Assistant」
- 2.1.4 ルート営業の管理に特化「アクションコックピット」
- 2.1.5 代理店の管理機能に特化「Oracle Sales Cloud」
- 2.1.6 ユーザー数を無制限に増やせる「GRIDY SFA」
- 2.1.7 多彩なツール連携が強み「Nice営業物語Smart3」
- 2.1.8 独自カスタマイズが得意「kintone」
- 2.1.9 フィールドセールスを効率化「UPWARD」
- 2.1.10 研修サポートも付属する「e-セールスマネージャー」
- 2.2 中小企業の営業DXとしてのSFA導入はなぜ必要か?
- 2.1 中小企業向けのSFAの比較紹介
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは何か?
DX(デジタルトランスフォーメーション)とはIT技術の浸透によって、従来のビジネスや業務を変革することです。
その中でも営業に関する業務などをITによって効率化することを営業DXといいます。
DXの基盤となる技術はモバイルとソーシャル、ビッグデータ、モバイル、クラウドの4つで、その中でも営業DXの推進に欠かせないのがクラウド技術です。
クラウドとはインターネットを介して提供・使用できるソフトウェアで、収集したデータを一元管理すればデータベースとしても使用できます。
このクラウド技術をベースに開発されているのがSFAであり、営業DXを推進していく上で導入は欠かせない要素の1つです。
SFA(営業支援ツール)とは何か?
SFA(営業支援ツール)とは、営業業務の効率化を目指すためのツールです。
営業業務において顧客情報と案件の管理・共有は重要なポイントといえます。
しかし、従来のような営業記録や報告書などを用いた管理方法には限界があり、膨大な情報を保有していても活用できていないのが実情です。
そこでSFAを導入すれば、営業部門全体での顧客情報と案件の管理・共有が容易になるほか、リアルタイムで各営業マンの状況や進捗の把握も可能となります。
共有した顧客状況をもとにマーケティングに活用すれば、営業する顧客の優先度が見える化され、機会損失を減らした効率的な営業活動が行えるでしょう。
中小企業向けのSFAの比較紹介
ここでは中小企業向けに限定して、各SFAを比較します。
今回ご紹介するSFAは次の10種類です。
このなかで特に多くの中小企業で利用されているのは4社です。
- Senses
- Zoho CRM
- Sales Force Assistant
- アクションコックピット
- Oracle Sales Cloud
- GRIDY SFA
- Nice営業物語Smart3
- kintone
- UPWARD
- e-セールスマネージャー
中小企業向けのSFAは安価で導入しやすく、操作性にも優れます。使いこなせるようになるまでの時間や負担も少なくて済むでしょう。
ただし初期設定を自分で行う必要があったり、サポートに条件があったりといった制限もあるため、自社のに合ったSFAツールを選ぶ必要があります。
直感的で使いやすい「Senses」
株式会社マツリカが提供しているのが「Senses」です。
BtoB企業つまり企業相手に営業を行っている企業との相性が良いされています。
操作画面や機能などは直感的に使用できるのが特徴で、他のツールに比べて社内での定着がよりスムーズに進むでしょう。
機能としてはMicrosoft 365などのカレンダーやメールとの連携、案件管理画面による営業状況の把握、データ用いた営業分析と改善などが搭載されています。
営業活動の自動化が可能「Zoho CRM」
ゾーホージャパン株式会社が提供する「Zoho CRM」は、営業活動の自動化を目指せるツールです。
CRMつまり顧客向けのマネジメント向けのため「Senses」のようにSFAに特化しておらず、、メールの一括送信やスプレッドシートなどの他サービスとの連携などが特徴といえます。
その他にも、レポート作成や営業フォローのメール送信などさまざまな機能が備わっているにもかかわらず導入コストは低く、まずはコストを抑えて導入したいという企業におすすめのSFAです。
AI秘書機能を搭載「Sales Force Assistant」
株式会社NIコンサルティングが提供する「Sales Force Assistant」は、日報機能からスタートしたツールです。
その経緯もあり、日頃から日報を活用している営業会社とは相性がよく、日報から取得した顧客や案件、クレーム、訪問計画などのデータ管理が容易になります。
また最大の特徴はAI秘書機能の搭載であり、営業メンバーそれぞれに付く専属秘書が業務サポートしてくれる点です。
類似案件から事例紹介する「サクセスアシスト」、対応漏れや遅延を知らせる「ヌケ・モレ防止」、訪問予定の顧客履歴を即座に確認できる「訪問準備アシスト」など、秘書業務をAI秘書がこなします。
Sales Force Assistantは1ユーザーごとの課金で、登録ユーザー数は1〜200ユーザーまでです。
中小企業をメインターゲットにしており、クラウド版とオンプレミス版を自社に運用に合わせて選択可能です。
ルート営業の管理に特化「アクションコックピット」
株式会社ビジネスラボが提供する「アクションコックピット」は、ルート営業に特化したSFAです。
低コストで使用できる他、スケジュールやメール機能など不要な機能を極力減らしていることから、ITが苦手な方といった方でも安心して利用できるでしょう。
ルート営業を行っている企業の中でも特に「現状は日報を使用していない」「企業や営業管理を行っていない」といった場合の相性は抜群です。
ただし機能が限定的であるため、今後さまざまな機能追加を予定する企業とはマッチしない可能性があるので注意しましょう。
代理店の管理機能に特化「Oracle Sales Cloud」
アメリカ合衆国に本拠を置き、ソフトウェア会社として世界的にも有名なオラクルが提供すがするSFAが「Oracle Sales Cloud」です。
「Oracle Sales Cloud」は代理店の管理に特化したツールとなっています。
従来のSFAであれば複雑な階層になりがちな代理店管理は、独自のカスタマイズなどで対応する必要がありました。
しかし「Oracle Sales Cloud」であればカスタマイズの必要がなく、基本機能内で代理店の管理が行えます。ただし海外サービスであることから、操作性などは事前にチェックしたほうがよいでしょう。
ユーザー数を無制限に増やせる「GRIDY SFA」
ナレッジスイート株式会社が提供する「GRIDY SFA」は、独自のグループウェアを使用しているツールで、営業部門というよりも社内連携に特化しています。
「GRIDY SFA」の最大の特徴はユーザー数を無制限に増やせる点です。
一般的なツールの場合、初期コストを支払った以降は、ユーザー数に応じた月額料金を支払う必要があります。
しかしこの「GRIDY SFA」はユーザー数に関わらず、月額料金の一定額です。使用者が増えても追加料金は発生しない点はコスト面でのハードルを下げ、営業DXの推進にもつながるでしょう。
GRIDY SFAは業種、業態に関わらず多くの中小企業で導入されています。
認知度はもちろんのこと、月額・導入料金とカスタマイズの自由さが選ばれる理由です。
多彩なツール連携が強み「Nice営業物語Smart3」
株式会社システムズナカシマが提供する「Nice営業物語Smart3」は、営業報告の作成やスケジュールの管理といった営業活動のサポートに特化したツールで、さまざまな外部ツールと連携できる点が大きな特徴です。
LINEやEvernote、Google、iCloudとのツール連携だけでなく、Apple Watchとも連携ができ、スケジュール確認や簡易営業報告の作成が行えます。
報告状況などの確認や報告漏れの防止などにつながるでしょう。空き時間や移動時間を有効に活用し、会社全体の業績向上にもつながるSFAの1つです。
独自カスタマイズが得意「kintone」
サイボウズ株式会社が提供する「kintone」は、SFAではなく業務アプリケーションサービスといえます。
そのためSFAに基本搭載されている案件管理や日報といった機能以外にも、勤怠管理などのさまざまなアプリケーションの使用が可能です。
自社の状況に合わせて独自にカスタマイズが行え、SFA以外の用途でも開発の幅が広がります。
さらに複雑なプログラム技術を要することなく、誰でも簡単にSFAをはじめとするアプリケーションの作成や編集が可能です。
またKintoneはスタンダードコースの場合、1ユーザーあたり1,650円(税込)と安価で、他のSFAと比較しても大きか価格差があります。Kintoneの価格を下回るものは、なかなかないでしょう。
フィールドセールスを効率化「UPWARD」
UPWARD株式会社が提供する「UPWARD」は、フィールドセールスのために開発されたSFAです。
スケジュールや地図、顧客情報などのデータを連携ができ、訪問業務の生産性アップに役立てられるでしょう。
また優良顧客をマップ上で確認できたり、次に取るべきアクションを共有できたりなど、売上アップや案件の管理よりもフィールドセールスの効率化を目指すためのSFAといえます。
研修サポートも付属する「e-セールスマネージャー」
ソフトブレーン株式会社が提供する「e-セールスマネージャー」は国内でもトップクラスのシェアを誇るSFAであり、実運用に乗るまでの研修サポートが付属している点が大きな特徴です。
社内にITに長けた人材いない場合やSFAの導入ハードルが高いと感じる企業には、おすすめのツールといえます。
研修サポートを受けることで営業のプロセス見直しなどにもつながり、その機能をより効果的に扱えるようになるでしょう。
また大きな特徴にリーズナブルな価格設定も挙げられます。
SFAに対して多くの予算をかけらない中小企業には、SFAの必要機能を限定した値段での提供も可能なため、導入時のハードルを下げることができるでしょう。
最も安いコースでは1ユーザー1,000円から導入できます。
中小企業の営業DXとしてのSFA導入はなぜ必要か?
中小企業が導入すべきSFAを10ツール紹介しました。
少子高齢化の促進やライフワークバランスが推奨されている現代において、業務効率化は企業の命題となっています。
業務効率化しながらもノウハウを次世代に残すには、SFAの導入が欠かせません。
しかしSFAにはさまざまなツールがあり、企業の業務内容や使用目的、目指す環境によって相性が異なります。
SFA選びに失敗しないためにも、用途と使用範囲を事前に明確にした上で無料トライアルを活用し、継続的に使用できるかを慎重に見極めることが大切です。